データヒストリアンにとって優れた可視化ソフトウェアとは?

製造プロセスデータの保存と分析には、多くの様々なシステムを使用できます。ヒストリアンとは、データを保存する手段を提供するデータベースアプリケーションのことです。今日ではヒストリアンはコモディティ化しており、制御システムの組み込みヒストリアンから特定の目的のためのカスタムデータベースまで、サイトに複数のデータソースが存在することが日常的になっています。真の価値は、データをどこに保存するかではなく、どのように使用するかにあります。では、データヒストリアンにとって優れた可視化ソフトウェアとは何でしょうか。

「百聞は一見にしかず」ということわざがあるように、データを視覚的に表現すると、分析がより簡単かつ迅速になることは明らかです。以下に示す単純な例は、数値データに対する視覚的データの優位性を示しています。

過去1か月で最も気温が高かった日を見つけてください。

生の数値データはスキャンして実用的データを得るのが難しい。

意味のあるレイアウトで視覚的に表示されたデータは、はるかに解釈しやすい。

データヒストリアンにとって優れた可視化ソフトウェアとは?

可視化ソフトウェア製品のリストは、毎年長くなる一方です。ほとんどの可視化製品は、SPC/SQC、ダウンタイム追跡、OEEなど、特定のニーズに向けた標準パッケージを提供しています。可視化ツールの中には、大部分が静的で設定可能なダッシュボードであるツールもあれば、リアルタイム分析で多く使用されるツールもあります。主な問題は、ほとんどの可視化製品が以下の2つのカテゴリーのどちらかに分類されることです。

• 何でもこなすが、どれにも優れていない
• 専門的で柔軟性に欠ける

理想的なのは、何でもこなして、すべてに優れているシステムです。多くの標準的な機能を提供し、特殊アプリケーションも提供できる柔軟性を備えている必要があります。柔軟性と有用性の適切なバランスを見つけるために、データヒストリアンに対する可視化ソフトウェアは以下の特性を提供する必要があります。

使いやすさ

使いやすさは、成功するデータ可視化製品の最も重要な要因の1つです。リソースは、データ収集ではなく、意思決定に時間を費やす必要があるので、データへのアクセス、操作、および分析は容易である必要があります。目標は、洞察を得るまでの平均時間を短縮することです。

適応性

複数のデータソース(プロセス、品質、メンテナンス、計画、会計など)からのデータを統合する必要があります。すべてのソースからのデータを誰でも使用できるようにする必要がありますが、二重保存または面倒な設定は避けます。たとえば、オンラインプロセス測定と手動テストデータを比較することは重要です。同様に、履歴データに対する可視化ソフトウェアは、1つのパッケージですべての可視化ツールと分析手法にアクセスできるようにしたいので、1つのパッケージで複数のソリューションを提供する必要があります。すべてのデータを自動的に取り込むことができるわけではないので、ユーザーは計算を設定し、データを手動で入力できるようにする必要があります。

主体性

もう一つの重要な特性は、特定の1つの質問に答えるために1回だけ生成されるアドホック分析を実行できることです。このツールは、事後対応による問題解決ではなく、事前行動を促進する必要があります。

対話性

画面は、突っ込んだ分析を可能にするために、対話的である必要があります。たとえば、グラフを掘り下げる機能またはグラフィックタイプの対話的な変更があります。1つの画面を最初に作成して、複数の新しい画面を作成する機能は強力です。PARCviewでは、トレンドのデータを起点として、XYチャートにプロットすることまたはヒストグラムを作成することを簡単に実行できます。

動的データ

表示データは、データベースのデータが変化したときに更新する必要があります。このときアセット構造を使用するので、画面を構築する必要があるのは一度だけであり、コンテンツはユーザーの選択に基づいて入力できます。これにより、類似したプロセス間の比較を迅速かつ容易に実行できます。

パーソナライゼーション

ユーザーごとにニーズおよび能力は異なるので、これは重要な機能です。ユーザーごとに、解決する問題は異なり、そのために情報を見る方法も異なります。

通知

最高の画面を使用しても、常にすべてを見られるわけではありません。優れたシステムは、安全策として、変数の限界を監視し、適切な担当者にアラートを送信して、措置を講じることできるようにする必要があります。

標準機能

複雑なカスタムプログラミングが不要で、実行するのが簡単な、標準的ですぐに使用できる機能が必要です。多くの人が多くの時間使用する機能は、使いやすく効果的である必要があります。以下に示すような一般的な分析ツールがすぐに使用できる製品を探す必要があります。

• トレンド化 
• チャート(散布図、ヒストグラム、パレートチャートなど) 
• ダッシュボード 
• SPC/SQC 
• ダウンタイムなどの機会損失分析 
• OEE 
• 多変量統計分析とモデリング

ユニバーサルアクセス

組織内のすべてのレベルがすべてのデータを参照できる必要があります。幅広い可視性は、起こったと思われることではなく、実際に起こったことに基づいて意思決定が行われることを保証します。また、オペレーターができることを増やし、トップダウンではなくボトムアップの情報フローを作り出すことができます。モバイルデバイスから使用できることも、最先端のデータ分析ツールの重要な機能です。

コンテキスト

データを限界値および標準値と比較できることは重要です。また、グレードラン、バッチ、リール、週などのイベントウィンドウを提供することも重要な機能です。たとえば、化学物質の消費量のトレンドには、その期間中に製造された製品/グレードおよび異常な消費量を示唆するのに役立つ可能性がある限界値を含める必要があります。

データヒストリアンにとって最も優れた可視化ソフトウェア

PARCview製品スイートは、標準的な一連の専用ツールおよびそれ以外のすべての機能を効果的に実行する柔軟性を備えています。言い換えると、何でもこなして、すべてに優れています。これを実現するために、PARCviewの機能は、80/20ルール(パレートの原理)に基づいています。基本的に、PARCviewは、データ分析に必要なことの80%をできるだけ簡単にして、残りの20%を行うためのフレームワークを提供するようにしています。たとえば、ダウンタイムイベントを追跡し、理由を割り当てる組み込みツールがあります。したがって、機能的な観点から見た場合、PARCviewは本当にあらゆるタイプのイベント(環境の一過的逸脱、目標速度以下の走行など)を追跡し、それらのイベントに原因を割り当てるために使用できます。イベント生成ツール(PARCalarm)には、統計的プロセス制御のためのWestern Electricルール、限界値を超えた値のアラームなど、13個のイベント生成ルールテンプレートが組み込まれています。13個のテンプレートで対応できない状況では、式に基づいてアラームを設定するカスタムスクリプトツールを使用できます。

真の価値は、可視化および分析ツールが、特定の機能ではなく、汎用目的で設定されていることです。設定したイベントのタイプに関係なく、すべてのPARCviewアプリケーションからデータにアクセスできます。たとえば、ダウンタイム用のパレートチャートツールがありますが、これはどのイベントタイプを評価する場合でも使用できます。また、設定可能な理由ツリーは、すべてのイベントに原因とコメントを割り当てるために使用できます。

PARCviewに組み込まれているデータ分析をサポートするツールを、以下に示します。

トレンド

トレンド(またはRunチャート)は、変数データと時間の関係を示すグラフを作成する基本的な視覚的ツールです。Runチャートは、問題の視覚的な分析を迅速に実行できるので、トラブルシューティングの出発点として優れています。現在値または集計値を表示するデータテーブルで得られるのは、1つのデータポイントのみです。トレンドを使用すると、現在の状況はもちろん、過去の状況も把握でき、将来の状況を予測することもできます。これは、運用の問題を解決し、迅速に情報に基づいた意思決定を行う場合に非常に重要です。トレンドがPARCviewシステムの基礎になっているのはそのためです。

チャート

トレンドの他に、データ分析に役立つ他のグラフタイプが多数用意されています。パレート図は、潜在的な原因に優先順位を付けて、最大の効果が得られる改善策に集中するために役立ちます。ヒストグラムは、ある変数の値の分布を分析するのに役立ちます。限界値を含むヒストグラムはプロセス能力を示します。散布図(またはXYプロット)は、2つの変数の間の関係を特定するのに役立ちます。管理図は、プロセス値が時間とともにどのように変化するかを確認するために使用します。PARCviewでは、これらのチャートをすべて使用できます。

ダッシュボード

ダッシュボードは、可視化パッケージのもう一つの重要な機能です。ダッシュボードは、OEE、生産、コスト、品質、安全性などの主要業績評価指標に関連する重要な情報に関係者が注目するのに役立つスナップショットを提供します。優れたダッシュボードは動的かつ対話的なので、データを掘り下げて調査できます。PARCgraphicsは、ライブゲージとPARCviewチャート埋め込み機能を備えた動的なダッシュボード作成ツールを提供します。

プロセスグラフィックス

プロセスをグラフィカルに表現すると、1つのスナップショットに多くの情報を含めることができます。プロセスの接続および値を視覚的に表示することは、特に有用です。PARCviewのプロセスグラフィックスは、現在値および点滅するアラームやアニメーションを表示でき、履歴分析を行うための再生モードも用意されています。

以下に示すツールは、上記の標準的な機能をサポートしていますが、ユーザー定義分析も実行できます。

計算

スクリプトエディターを使用して、任意のデータソースのタグを使用する単純な数式または複雑な多変数計算を実行できます。計算に基づいて新しいタグを作成でき、作成したタグはすぐに使用できるようになります。また、任意の期間の集計値(平均、標準偏差、最小、および最大)を自動計算できます。期間は、時間ベース(時間、シフト、生産日など)またはプロセスベース(グレード、バッチなど)を使用できます。

限界

PARCviewは、制御、仕様、操作、安全、カスタムなど、多くの限界タイプを追跡できます。限界値は、固定にするか、またはグレード、レート、またはタグの値に基づいて可変にすることができます。限界履歴はすべて保持され、PARCviewのすべての表示からアクセスできます。また、外部プログラムを必要としない便利な機能として、自動管理限界計算機能があります。

アラーム

前述したように、PARCalarmは、ダウンタイム、環境の一過的逸脱など、あらゆるイベントのトリガーと追跡を設定できます。各イベントには、理由を割り当てることができます。イベントデータはすべて、分析および理由の割り当てを行うためにPARCviewに統合できます。常にすべてを監視できるわけではないので、措置を講じる必要がある場合は指定した人に通知を送信するようアラームを設定できます。