PI ProcessBookに代わる最良のツール [2024]

PI ProcessBookのサポート終了が近づく今、プロセス業界の多くは、長年依存してきたツール置換という課題に直面しています。しかし、トレンド/ディスプレイなどの独自機能を持つツールの代替品を、どのように検討すればよいのでしょうか。この記事では、はじめにProcessBook代替ツールの評価軸に関する提案を行い、つぎに具体的な代替ツールをご紹介します。

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ProcessBookを置き換える理由

ProcessBookの販売終了

長年にわたり売り上げを伸ばしてきたデータ可視化ツール、PI ProcessBook。OSIsoftは2020年末、当ソフトウェアの販売終了を発表しました。

ProcessBookは、PIヒストリアンと深く連携しています。プロセスエンジニアがPI Serverの時系列データからトレンドやダッシュボード、プロセスグラフィックスを作り上げるために、広く使用されてきました。

この十数年間で、より新しく高度な分析ツールを開発する競合他社が現れています。しかし多くの顧客は、徐々にProcessBookに慣れ親しんできました。また、重要なグラフィックスやディスプレイを新しいプラットフォームに移行するのが困難だと感じており、引き続きProcessBookを使い続けていました。

しかしOSIsoftの販売終了の発表により、多くの顧客がProcessBookからの移行検討を余儀なくされています。

現在のユーザーは無期限でProcessBookを使用し続けることは可能です。しかしサポート終了により、OSIsoftは顧客に対して代替プラットフォームへの移行計画を立案することを推奨しています。ProcessBookのセキュリティ更新は2022年に終了予定であり、サポートは2024年12月に完全に終了する予定です。

そのため、現在運用しているProcessBookからの移行を検討してきたユーザーにとっては、今こそ新たなツールを検討する良い機会なのです。

代替ツールの評価基準

産業用分析ツールの市場には、多数の製品が存在します。幅広い産業分野から特殊な製造プロセスまで、数百の企業が様々な領域の分析製品を生み出しています。では、ProcessBookの代替ツールを探す際、何を評価基準とすればよいのでしょうか。数多くのソリューションから最適なものを選ぶには、何を考慮すべきでしょうか。大きく分けて、以下の5点を考慮すべきです。

1.統合の容易さ

ProcessBookを使用しているならば、おそらくデータヒストリアンとしてPI Serverも使用しているでしょう。ProcessBookの代替を探しているなら、最も重要なポイントは、「代替ツールがPI Serverとどれだけうまく統合できるか」です。新たなインフラ構築のためにコストで時間を掛けるか、数分でPI Serverに接続できるかは大きな違いです。

また、現行コンテンツの移行も考慮点します。あなたの組織は、運用を効率的に行うために必要なProcessBookのディスプレイ構築に、多くの時間とコストを投資してきました。ProcessBookの代替ツールの中には、既存のProcessBookディスプレイの多くを移行するツールを提供しています。

2.診断分析機能

診断(探索)分析ツールは、プロセス停止や品質問題の原因調査とトラブルシューティングに使用されます。

トレンド分析は、診断分析の中核を成します。効果的な原因分析は、迅速なアドホック分析と、さまざまなプロセスエリアからの履歴データを素早く重ね合わせて、相関関係と因果関係を判断する能力が重要となります。

トレンド分析は、おそらくProcessBookユーザーが代替システムに求める重要機能の1つでしょう。

診断分析は、ヒストグラム、X/Yチャート、パレートチャートなどの他の可視化ツールによってサポートされることがよくあります。プロセスに関する難しい質問が出されたとき、データを分割して分析できる方法が多ければ多いほど、正解にたどり着くのは容易になります。

3.運用管理機能

ここで「運用管理」と広義に定義される能力は以下の通りです:

  • 生産追跡
  • プロセス監視
  • OEE追跡
  • 品質管理
  • プロセスのアラームと通知
  • レポート作成
  • データ手入力

上記の多くはリアルタイム監視のため、プロセスデータを活用するダッシュボーディングとプロセスグラフィックス作成ツールによって実装されます。分析ソリューションでは通常、各施設ごとの監視が可能です。より洗練されたソリューションでは、複数の施設にわたる生産KPIについて、エンタープライズ全体での追跡が可能です。

ProcessBookユーザーは、ダイナミックなプロセスグラフィックスによる運用管理を実践しているでしょう。そして、ProcessBookで構築されたディスプレイが10年以上にわたり使用されることは珍しくありません。

ProcessBookの運用管理能力を求める、いくつかの候補があります。レポート作成に特化したソリューションを検討したり、スクリプトによる高度カスタマイズが可能な製品を検討します。または、より広範囲なビジネスニーズを解決できるような、多くの機能を持つソリューションがあるかもしれません。

4.高度な分析機能

高度な分析は、この記事の目的のためにここで定義するもう1つの重要な評価軸です。機械学習や産業AIなど、先端的な製造概念と関連してよく使われる高度な分析です。今回のProcessBookの代替ツールでは通常、「予測分析」「処方的分析」の2つの形を取ります。

予測分析では過去データからモデルを作成し、生産性の損失を予期します。またユーザーに警告することでダウンタイムを防ぎ、OEEを改善できます。

処方的分析では論理的なステップを踏み、予測された生産問題に対処するためにどのような行動が必要かを指示します。

予測分析と処方的分析は、工場の性能を最大化するために使用される、ある種の初歩的な人工知能といえます。

5.コスト/価格設定

望ましいことではないですが、代替ツールの検討においてコストが考慮事項になる可能性があります。ソリューションの価格は通常、機能と実装の範囲によって決まります。そして多くのプロバイダーは価格を公開していないため、概算価格を比較するのは難しいです。しかし、価格設定の評価において1つ、重要な要素を認識しておくべきです。

価格モデル

価格モデルはベンダー間で異なり、フラットレート / 使用ベース / 階層型 / ユーザーベースなど、多くの種類があります。

近年、多くの産業分析ソリューションは「ユーザーごと」の価格モデルを採用しており、ツールの利用者数に応じてライセンス費用は上昇します。

ユーザーライセンスモデルの利点は、小規模な施設やプロセスデータの監視/分析員が少ない組織にとって、費用対効果の高いソリューションとなりえることです。一方、データドリブンな組織が多くのオペレーター / エンジニア / SMEにデータ利用を促す場合、コストは非常に高価になります。

PI Serverとのシームレスな統合により、リアルタイムのプロセス監視および迅速な根本原因分析を実現します。

ProcessBookの最も優れた代替ツール

【dataPARC】PARCview

エンドユーザーが開発した、エンドユーザーのためのリアルタイムデータ分析/可視化ツール、dataPARC – PARCview。世界中のプロセス施設のDXにおいて、dataPARCとPIは長年共存してきました。事実、dataPARC導入事例の半数以上は、PIヒストリアン上に構築されています。

トレンドとプロセスグラフィックスを評価軸とするユーザーにとって、dataPARCは診断的分析機能と運用管理機能を強化した、ProcessBookの優れた代替ツールといえるでしょう。

統合の容易さ

dataPARCとPI Serverの統合は非常に容易で、数分でPIヒストリアンデータに接続されます。ネイティブに統合されるので、データ閲覧/可視化もスムーズです。最新のPI SDK技術やパフォーマンスを重視した機能により、多くのProcessBookユーザーがパフォーマンスの向上を体感できるでしょう。

また、dataPARCのProcessBook変換ユーティリティを利用すれば、ユーザーはProcessBookの既存ディスプレイを一括インポートし、スクリプトもそのまま継続利用できます。

診断的分析機能

dataPARCの最大の長所は、施設内の様々なソースのデータに接続し分析する能力です。これにより、最適な時系列トレンド化アプリケーションとして広く認識されています。

また、リアルタイムのトレンド化以外にも、根本原因分析や自由形式のプロセスデータ探索をサポートする豊富な機能が備わっています。例えば、

  • ヒストグラム
  • XYプロット
  • パレートチャート
  • 5-why分析ツール
  • Excelプラグイン

などが挙げられます。またdataPARCのパフォーマンスデータエンジン(PDE)は、無損失データと集計データの2つを持ちます。これにより「超高解像度の短期データ群」と「超高速アクセス可能な長期データ群」の両方を享受できます。

運用管理機能

dataPARCは、運用管理ツール一式を提供します。dataPARCのディスプレイ設計ツールを使えば、プリセットのポンプ/タンク/その他の業界標準の図形を使用して、カスタムKPIダッシュボードやリアルタイムプロセスグラフィックを作成できます。また、ProcessBookで作成した既存グラフィックをインポートすることも可能です。

標準的なレポート機能はすべて含まれており、ダウンタイムイベントや他のプロセス逸脱が発生した場合、メールやMicrosoft Teams、テキストでアラートを送るスマート通知を用意しています。PARCviewのツール「センターライン」は、このプラットフォームの最も強力な機能の1つで、直感的な多変量管理図と早期の故障検出、プロセス逸脱をオペレーターに警告します。オペレーターは品質や機器の問題が発生する前に、これらに対処できます。

dataPARCが提供する他の運用管理機能には、データ入力(手動/自動問わず)の堅牢なモジュール、通知機能、高度な計算エンジン、タスクスケジュール機能含まれています。

高度な分析機能

dataPARCは、人工知能や機械学習の活用を謳っていません。しかし、PLSとPCAを用いたデータモデリングモジュールや、高度分析のための堅固なインターフェースにより、メンテナンス / 運用 / 品質向けの予測分析を強化できます。

コスト/価格設定

dataPARC – PARCviewは、「ユーザーライセンス無制限モデル」を採用しています。プラントの全従業員が生産データに基づく意思決定をしていく組織にとっては、非常に良い選択です。更にdataPARCの詳細が気になる場合、dataPARCとPIの比較をご覧ください。

「ProcessBookとPI Visionのベストな代替ソリューション」をダウンロードし、ProcessBookの代替ツールを比較しましょう。

【OSIsoft】PI Vision

ProcessBookの後継ツールであるPI Visionは、「PI Serverデータを迅速/簡単に可視化できるツール」としてブランド化されています。PI Visionはブラウザで動作するWebベースのアプリケーションで、ProcessBookのようなデスクトップアプリに慣れているのユーザーにとっては、大きな変化となる可能性があります。

統合の容易さ

OSIsoftのアプリケーションであるため、PI VisionとPI Serverの統合は、おそらく最も簡単でしょう。
既存のProcessBookディスプレイをPI Visionに移行するとき、OSIsoftの移行ユーティリティが提供されます。しかし多くのユーザーは、カスタムディスプレイやグラフィックを移行した後、機能性を完全に保持するのが困難であると報告しています。これはPI VisonがVBスクリプトに非対応であるためです。

診断的分析機能

多くのユーザーが報告するところによれば、PI Visionのトレンドツールは、原因分析やアドホックな診断のための機能がProcessBookと比べて少ないかもしれません。しかし、時間軸上に時系列データや他のデータをプロットする基本的なトレンド機能を実行することは十分可能です。

またPI Visionは、より高度な診断的分析作業のためのExcelプラグインも提供しています。

運用管理機能

プロセスディスプレイはPIシステムの根幹です。もしProcessBookから移行するのであれば、PI Visionでの作業には馴染みやすいでしょう。

PI VisionはProcessBookの100%代替品というわけではありません (ex. SQCモジュールはVisionでは利用不可)。しかし、初期バージョンで欠けていた機能は、定期的なアップデートによって追加されています。さらにPI Visionには、ProcessBookには存在しない新機能もあります。

PI VisionのディスプレイはHTML5を使用し、PIのアセットフレームワークに統合されているため、ディスプレイ作成が直感的です。また、基本的なレポート機能も備えています。しかしPIシステムの多くと同様、データをExcelに一度抽出する必要があります。

高度な分析機能

PI Visionには組み込みのデータモデリングツールやその他の高度な分析コンポーネントは含まれていません。PI Serverのデータは、PI Integratorを経由してサードパーティの分析アプリに取り込まれ、高度な分析を行います。

コスト/価格設定

PI Visionは「ユーザーライセンスモデル」を採用しています。これは、プラットフォームにアクセスする人数が少ない小規模な組織には最適です。一方で大規模な製造業や、オペレーター/プロセスエンジニア/データサイエンティストのチームを擁するエンタープライズ企業において、PI Visionは高額になりえます。

【GE】Proficy CSence

GEは2011年頃にCSenseを買収し、自社のProficy Historianで使用する優れたデータ可視化および分析ツールを提供しています。CSenseは、アセットとプロセスパフォーマンスを向上させるインダストリアルアナリティクスソフトウェアであると言われています。トレンド化と診断的分析に重点を置いており、堅牢なプロセス表示にはあまり重点を置いていません。

統合の容易さ

CSenseは、GE独自の時系列データヒストリアンであるProficyとの統合に最適化されています。OSIsoftのPI Serverと統合するには、OSIsoft PI OLEDBプロバイダーが必要です。ネイティブなPI統合に慣れているユーザーにとって、このインターフェースはパフォーマンスに影響を与える可能性があります。

診断的分析機能

CSenseのトレンド化機能と診断機能は、おそらくProcessBookよりはるかに優れています。

トラブルシューティング(CSense Troubleshooter)とプロセス最適化(CSense Architect)の専用モジュールは、連続プロセス、離散プロセス、またはバッチプロセスのパフォーマンスを分析するための最新のトレンド、チャート、および他の可視化ツールを提供します。

運用管理機能

GEのデータ可視化製品には、モジュラーアプローチが採用されています。ProcessBookのような単一製品で提供される運用管理機能の多くは、Proficyスイートに含まれる多数の個別製品に分散されています。

これらの製品はかなり多くの部分が重複していますが、GEのiFIX、CIMPLICITY、Proficy Operations Hub、Proficy Plant Applications、およびProficy Workflowの各製品のどこかに、ProcessBookよりはるかに優れている運用管理機能があります。

高度な分析機能

CSenseのマーケティング資料では、産業用の高度な分析、デジタルツイン、機械学習、および予測的分析について多数言及されています。

PARCviewのアプローチと同様に、この高度な機能は、コアプラットフォームの強力なデータ可視化ツールが提供する洞察によって実現されていますが、CSenseでは製品の品質およびアセット障害の予測に役立つモデルを開発できます。

コスト/価格設定

CSenseのライセンスは、Runtime、Developer、およびTroubleshooterの3つのエディションが、それぞれ異なるコンポーネントの組み合わせとデータコネクターで提供されています。

【Canary】Axiom

CSenseやPI Visionと同様に、CanaryのAxiomはより大きなシステムの可視化コンポーネントとして設計されました。その目的は、Canary Historianに保存されているデータの分析をサポートすることでした。

統合の容易さ

CanaryのData Collectorsは、OPC DAおよびOPC UAを経由してプロセスデータソースに接続できますが、このリストの一部の代替ツールのようなPI Server接続専用モジュールは用意されていません。

診断的分析機能

Axiomは、ブラウザベースのトレンド化アプリケーションであり、ProcessBookの他の代替ツールほど強力ではありませんが、使いやすく、基本的な診断的分析を実行できます。dataPARCやCSenseのような強力な機能はありませんが、Canaryはより高度な分析を行うためのExcelアドインを提供しています。

ProcessBookのトレンド化機能と診断機能で十分だったユーザーは、おそらくAxiomの機能で十分満足できます。

運用管理機能

Axiomはトレンド化ツールのほかにダッシュボード機能とレポート作成機能を提供しますが、ProcessBookのユーザーは、提供される表示構築についてここで言及されないことに失望するかもしれません。簡単に言うと、動的かつ対話的なProcessBook表示の置換を目指している場合は、別のツールに目を向けることをお勧めします。

Canaryは、dataPARCとPI Visionがどちらも提供している、ProcessBookの既存表示の移行もサポートしていません。

高度な分析機能

Canaryは、産業用AI、機械学習などの現在の流行語に対して、薄っぺらいアピールをすることを避けています。Axiomが重点を置いているのは時系列データの基本的なトレンド化と分析ですが、そのExcelアドインは、間違いなくより高度な分析アプリケーションへの道を開きます。

コスト/価格設定

Canaryは検討しやすいようにWebサイトで価格設定を公開していますが、Axiomは、クライアントごとの料金を1回払いと月払いの両方で設定しています。この価格設定はCanary Historianを使用することを前提としているので、AxiomをPI Serverのデータのみに接続することを考えている場合、Webサイトの情報はあまり役に立ちません。

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TrendMiner

「セルフサービスインダストリアルアナリティクス」を提供するTrendMinerは、Webベースのすべて揃った時系列データ分析ツールスイートを提供します。

統合の容易さ

dataPARCと同様に、TrendMinerはPI Serverとネイティブに統合します。PIヒストリアンには非常に簡単に接続できそうですが、ProcessBookの既存表示の転送はサポートされていないようです。

診断的分析機能

TrendMinerという名前から、Software AGというブランドにとってトレンド化と診断的分析が重要であると思うでしょう。そのとおりです。タグ参照、トレンドオーバーレイ、およびデータフィルタリングは、すべてTrendMinerの顧客のお気に入りの機能です。

根本原因分析はTrendMinerの主なユースケースですが、一部のユーザーは、このシステムを使用してプロセスの問題を特定することを学習するのは難しいと言っています。また、パフォーマンスが低いという報告もあり、ProcessBookの代替ツールを検討する際、リスクの多い選択肢になります。

運用管理機能

監視は、TrendMinerの運用管理機能の中核をなします。このプラットフォームは、プロセスの一過的逸脱が発生した場合のスマートなアラームと通知をサポートする多くのツールを提供しますが、プロセスの可視化はトレンドに限定されるようです。プラントのパフォーマンスを管理および監視するために対話的なプロセス表示に依存しているProcessBookユーザーがその機能を置換するには、このリストにある他の代替ツールに目を向ける必要があります。

高度な分析機能

このプラットフォームは、TrendMinerの監視機能により、「予測」分析の分野に拡張されます。dataPARCやこのリストにあるProcessBookの一部の代替ツールと同様に、予測のパフォーマンスは、履歴データに基づくモデルによって実現されます。

コスト/価格設定

TrendMinerの価格設定は、顧客固有のユースケースに依存するので、Webサイトでは公開されていませんが、このリストにあるProcessBookの代替ツールの中では高めの価格帯であることが予想されます。

Seeq

2012年に設立されたSeeqは、プロセス製造データの高度な分析機能を提供しています。Seeqは分析を重視しており、その製品は診断と予測的分析に重点を置いていますが、このリストにあるProcessBookの一部の代替ツールのような運用管理のサポートはありません。

統合の容易さ

dataPARCと同様に、Seeqはプラント内の様々な異なるデータソース(OSIsoftのPI Serverを含む)に接続するように最適化されています。PIヒストリアンデータとの極めてシームレスな統合を期待できます。

Seeqは、ProcessBookの既存表示のインポートをサポートしていません。

診断的分析機能

SeeqのブラウザベースのWorkbenchアプリケーションは、このプラットフォームの診断的分析を強化し、強力な一連のトレンド化および可視化ツールを提供します。

根本原因分析を迅速に実行するために、高度なトレンド化、棒グラフ、表、散布図、およびツリーマップをすべて採用できることは、診断機能がProcessBookに比べて大幅に強化されていることを示しています。

運用管理機能

Seeqではプロセス監視用にアラームを設定する機能を提供し、Seeq OrganizerアプリケーションではKPI監視用にスコアカードとダッシュボードを構築できますが、どちらもProcessBookの表示構築機能に匹敵する機能は提供していません。

既存の表示を移行または複製する機能を提供するProcessBookの代替ツールを探しているエンジニアは、他の選択肢を検討することをお勧めします。

高度な分析機能

高度な分析機能は、Seeqが最も得意とする分野です。Seeqは予測的分析、機械学習、パターン認識、およびスケーラブルな計算機能をアピールしており、明らかに高度なプロセスデータ分析向けのソリューションとして採用されることを意図しています。Seeqの高度な分析機能のほとんどは、カスタムデータ処理用Pythonライブラリを使用できるようにする、Seeq Data Labアプリケーションから提供されます。

コスト/価格設定

Seeqの価格設定はWebサイトで公開されていませんが、1ユーザーあたり1,000ドル/年から始まるユーザーごとの価格設定モデルを採用していると言われています。

ProcessBookの代替ツールをお探しですか?PARCviewがProcessBookの代替ツールとしてナンバーワンと評価されている理由をご覧ください。

Ignition

Inductive AutomationのIgnitionアプリケーションは、インダストリアルアナリティクスソリューションを構築するための一連のツールを幅広く備えた人気のあるSCADAプラットフォームです。

統合の容易さ

Ignitionは、プラント内のほぼすべてのデータへの接続機能を提供します。このリストにあるProcessBookの一部の代替ツールのように簡単にネイティブに統合する機能はありませんが、JDBC、OPCなど、PIヒストリアンに接続する様々な方法をサポートしています。

診断的分析機能

Ignitionは、HMIデザイナーまたはMESとしては優れていますが、その診断的分析機能は、このリストの他の代替ツールよりかなり低くランク付けされます。ただし、Ignitionは根本原因の調査やアドホックデータ分析向けに設計されたわけではありません。Ignitionのトレンド化機能は基本的なものであり、ユーザーがProcessBookで使い慣れている機能と同様に、表示に統合されています。

運用管理機能

一方、IgnitionのDesignerは、リアルタイムのプロセス監視とKPI追跡で使用するプロセスグラフィックスおよびHMIを構築する機能が非常に優れているアプリケーションです。

おそらくProcessBookユーザーが使い慣れている対話的な機能はありませんが、SPC、OEE、材料追跡、バッチ処理などの管理に役立つIgnitionのモジュールを使用できます。

高度な分析機能

繰り返しになりますが、Ignitionは、予測的分析、処方的分析、機械学習、産業用AIなどの機能には重点を置いていないので、アプリケーションの機能セットには含まれません。

コスト/価格設定

Inductive Automationは、Ignitionのシングルサーバーライセンスをユーザー数無制限で提供し、約12,500ドルから始まる機能ごとの価格設定を採用しています。Ignitionの価格は、業界で最も人気のあるSCADAプラットフォームの1つとしての地位を非常によく反映しています。

【まとめ】ProcessBookの代替ツールを探す

ProcessBookの置き換えにおいて検討すべき事項は様々です。しかしサポート終了を考えたとき、大きな課題は2つです。1つ目は、ProcessBookで重宝していたディスプレイ / トレンド / その他機能をどのように置き換えるかです。2つ目は、ProcessBookを使い始めた頃には存在しなかった予測分析などの機能を導入したいかです。

今回ご紹介したProcessBookの代替ツールは、すべてが異なる機能を備えています。目的・予算・ニーズに合ったツールを導入し、その後、効果的に運用していくことが重要です。この記事があなたの検討指針の一助となることを願っています。

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